三月の羊の片隅にある小さな絵本屋「ねこひ」より〜
『クリスマスまであと九日』
エッツ&ラバスティダ作/マリー・ホール・エッツ画/たなべいすず訳
冨山房 74年刊
にぎやかハッピーなクリスマス絵本はふつうの書店に
おまかせして、「ねこひ」では静かなクリスマス部門を担当。
冬の空みたいに澄んでしんとした世界も、すてきではありませんか?
クリスマスを題材にした絵本はたくさんあるけど、
メキシコのクリスマスを描いたものは珍しいのでは。
ピンクと黄色のクリスマスカラーが新鮮です。
『もりのなか』『わたしとあそんで』(福音館書店)、
『海のおばけオーリー』(岩波書店)などで有名な
エッツさんの絵本は、どれも静かな祈りに満ちています。
モノクロが多い彼女の作品のなかで、
この本は部分的に色付けがされ、ビビッドなピンクが
効いたしゃれた仕上がり。しゃれていながら、
エッツさんの子どもの描き方にはとても温かい視線を感じるのです。
クリスマスに自分のためのピニャタというはりぼてを買ってもらう
主人公セシ。初めてマーケットに連れて行ってもらうドキドキ、
クリスマスまでのもどかしい気持ち。
文はちょっと長めだし、馴染みの少ない国のお話だけど、
自分だけのものを買ってもらうときのわくわく感や、
クリスマスの特別な気持ちは、メキシコの子も日本の子も同じ。
冬の池で泳ぐアヒルになってみたかったり、
お人形のガビナが一番の友達だったり、
きっときっと、共感した女の子ははまってしまうでしょう。
大人になるまでずっと、宝物の一冊になるに違いありません。
読んであげるなら5歳から
ひとりで読むなら7歳くらいから
[セットでおすすめ]
クリスマスやお正月の贈り物にどうぞ。
『ぐりとぐらかるた』『日本の昔話かるた』(以上、福音館書店)
ご紹介した絵本は『ねこひ』にてお取扱いしております
三月の羊 open 11-19時(日・祝-18時) close 火曜・水曜
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三月の羊では11月26日まで
高桑早苗 人形とオルゴール展「静かな時間」を展示中
ギリギリになってしまいましたが、
とっても素敵なのでお知らせ。
小さな作品の中には・・長いお話が詰まっているかの様。
じっと見入ってしまいます。
コメント (3)
お薦めのクリスマスの絵本、挿絵がこの写真を見ただけでわくわくしてくるくらい大好き!ついでにうちのダンナさんも即効「大好き〜!」と言ってました。
いつかこの本との出会いがありますように。。。
そして、ずっと気になっていました。店名の『ねこひ』、どういう意味ですか?猫に関係あるのかしら...。
投稿者: miki | 2007年11月26日 15:01
日時: 2007年11月26日 15:01
mikiさん、こんにちは。
絵本へのコメントありがとうございます。
開いた箇所の絵は、セシがマーケットで自分の
ピニャタを選んでいる場面です。
たくさんのピニャタがみんな、
わたしを買って買ってとセシにウインクしてくる所。
yukiさんの写真(どのページを撮るかのセレクトも
含めて)がすばらしいので、地味めなこの絵本の良さが
よりよく伝わっていますね。
大人が自分のための一冊にするのにもぴったりな
絵本だと思います。
ぜひいつかお手にとっていただけますように。
ところで「ねこひ」はねこひ店長の家の窓の外に
生えている木の名前で、ネコ科の常緑樹です。
店長はネコで、マッチ箱の家に住んでいます。
今度三月の羊にいらした時に覗いてみてください。
それでは、クリスマスまでのすてきな一ヶ月を!
投稿者: ねこひ店長 | 2007年11月26日 16:37
日時: 2007年11月26日 16:37
マッチ箱のねこひ店長さま、
ねこひという樹木があるのですね。ネコ大好きの私(yukiさんもだと思います!)は店長さんに是非ぜひお会いしたくなりました。
yukiさんに連れて行ってもらいますね。
その昔、子供たち相手の仕事をきっかけに、お相手もいないのに将来の自分の子供たちに...と絵本を探すようになりました。ドキドキするくらいの素敵な本に巡り会うことは滅多にないですよね。でもそれがいいのかも。
お伺いした時はお薦めの絵本たちをご紹介くださいね!
投稿者: miki | 2007年11月26日 22:10
日時: 2007年11月26日 22:10